今日は、外来診療の後、夕方、東京駅近くの貸し会議室で学会関係の会議がありました。
さて、本日の私的なお勉強日記です。
栄養学の専門ジャーナルに、マテ茶による運動負荷時の抗酸化能と筋力への作用を調べた臨床研究が、ブラジルのグループ(Federal University of Santa Catarina)から報告されていました。
(
Br J Nutr. 2016 Feb 26:1-9)
マテ(イエルバ・マテ、学名
Ilex paraguariensis)は、南米原産のモチノキ科の常緑樹で、現地では伝統的にマテ茶として飲用の嗜好品として利用されています。
有効成分として、カフェインやテオブロミン、テオフィリンといったアルカロイド類が見出されています。
これまでに、基礎研究では抗肥満作用や糖代謝・脂質代謝改善作用が示されており、臨床研究でも働きが示唆されています。
食事由来のポリフェノールは、抗酸化作用は抗炎症作用を介して、運動後の筋肉疲労回復を亢進すると考えられます。
今回の研究では、
マテ茶の摂取による運動負荷時の筋力および酸化ストレスマーカーへの影響が検証されました。
具体的には、
ランダム化クロスオーバー法にて、
男性12名を対象に、
マテ茶摂取群あるいは対照(水)群の2群について、11日間の介入試験が行われています。
8日目に、肘関節屈曲運動負荷(20回×3セット)が行われ、
最大肘関節屈力の回復が、運動負荷終了時、24時間、48時間、72時間後の時点で測定されました。
また、血中の総フェノール量、酸化ストレス障害関連マーカー(GSH, GSSG, GSH:GSSG比, LOOH)も測定されています。
解析の結果、
まず、運動負荷により、両群とも筋力の低下が認められています。
次に、
マテ茶摂取群では、
運動負荷後24時間の時点で、筋力の回復率が8.6%と有意な改善を示しました。
(P<0·05)
また、血中の総フェノール量は、測定した全ポイントにおいて、
対照群よりも、
マテ茶摂取群で、高値でした。
(P<0·05)
(ただし、運動負荷後72時間の時点では、両群とも有意に減少しています。)
血中GSH値は、
対照群では、
運動負荷後48時間と72時間の時点で、有意に減少していましたが、
(P<0·05)
マテ茶摂取群では有意な変化は認められませんでした。
なお、GSSG, GSH:GSSG比, LOOHには有意な変化は示されていません。
以上のデータから、マテ茶摂取により、運動負荷後の筋力の回復促進および抗酸化能が示唆されます。
マテ茶については、次の研究があります。
マテによる抗肥満作用:レビュー
DHCでは、
マテ茶を利用した製品も扱っています。
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