昨日に続いて、紅麹の論文を読んでみました。
今日はメタ解析です。
臨床動脈硬化研究の専門ジャーナル(電子版)に、紅麹含有サプリメント製品の脂質代謝改善作用を示したメタ解析が、イタリアとスペインのグループから報告されていました。
(
Clin Investig Arterioscler. 2016 Apr 27.)
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、
紅麹です。
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
今回の研究は、欧州でよく利用されている紅麹含有複合サプリメント製品に関するメタ解析です
対象のサプリメントは、
200mg紅麹(3mgモナコリン含有)、
500 mg ベルべリン、
10 mg ポリコサノール
0.2mg 葉酸
2.0 mgコエンザイムQ10
0.5 mgアスタキサンチン
の複合サプリメント(Armolipid Plus)です。
(*主な成分は紅麹です。コエンザイムQ10は2mgなので、少なすぎます。後、アスタキサンチンも少ないです。)
データベース(PubMed とGoogle Scholar)から、2015年までのランダム化比較試験(RCT)が検索され、
11報のRCTが解析の対象となりました。
サプリメント投与群1970名、
対照群1954 名、
合計3924名のデータがメタ解析された結果、
脂質代謝指標すべてにおいて、有意な改善が認められたということです。
効果の大きさは、介入前と比べて、
総コレステロール値;−1.3 (−9.9%)
LDLコレステロール値;−1.17 (−13.7%)
HDLコレステロール値;+0.17 (+3.7%)
中性脂肪;−0.24 (-7.0%)
以上のデータから、
紅麹(モナコリン3mg含有)複合サプリメントによる脂質代謝改善、脂質異常症改善作用が示唆されます。
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、
紅麹です。
DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。
(DHC紅麹濃縮エキス末180mgには、モナコリンKが2.7mg含まれています。)
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。
最近では、下記の研究が報告されています。
コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。
(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、
コエンザイムQ10との併用が有用です。)
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、
酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、
還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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