生殖医学の専門ジャーナルに、血中カロテノイドと、精子DNA障害との関連を調べた臨床研究が、イランのグループ(Hamadan University of Medical Sciences)から報告されていました。
(Int J Reprod Biomed (Yazd). 2015 Dec;13(12):787-92.)
生殖臓器での酸化ストレスは、精子DNA障害や精子細胞膜の過酸化を生じ、男性不妊症との関連が考えられます。
機能性食品に含まれる抗酸化成分による精子DNA障害への予防効果が期待されます。
今回の研究では、
不妊症男性および精液指標が正常な男性において、
血中カロテノイド類と、精子DNA障害及び脂質過酸化との関連が検証されました。
具体的には、
不妊症の男性62名と、精子能が正常な男性71名を対象に、
精子DNA障害の状態およびおよび血中カロテノイド類、ビタミンA、血中MDAが測定されています。
解析の結果、
正常対照群に比べて、
不妊症の男性群では、
精子のDNA断片化が亢進していました。
血中リコピン、βカロテン、ビタミンAの値は、
正常対照群に比べて、
不妊症男性では、有意に低値であったということです。
(それぞれp< 0.001, =0.005, =0.003)
一方、
血中MDAは、両群間に有意差は認められませんでした。
また、
対照群に比べて、
不妊症男性では、
精漿中のMDAが有意に高値でした。
以上のデータから、
不妊症男性では、血中抗酸化物質であるカロテノイド類が低値であり、
精子DNA障害が亢進していることが示唆されます。
今後、カロテノイド類の投与による精子DNA障害の作用や不妊症に対する効果といった臨床的意義の検証が期待される分野です。
男性不妊症に対する機能性食品素材としては、コエンザイムQ10の効果が報告されています。
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コエンザイムQ10による抗酸化作用@男性不妊症
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還元型コエンザイムQ10による精子機能改善作用
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