今月の食品化学の専門ジャーナル(電子版)に,高脂肪食摂取時におけるレスベラトロールの動脈硬化抑制作用を示した基礎研究が報告されていました。
(Food Chem Toxicol. 2009 Mar 16. PMID: 19298841)
レスベラトロール(resveratrol,リスベラトロール,trans-3,4',5-trihydroxystilbene)は,赤ワインなどに含まれるファイトケミカルの1種です。
抗酸化作用を有し,生活習慣病予防やアンチエイジング効果といった働きが注目されています。
今回の研究では,ラットを用いて,飲料水中にレスベラトロールをまぜ,標準食あるいは高脂肪食投与による比較が行われています。
(レスベラトロールの投与量は,ヒトにおける消費量に相応したものということです。)
30日から45日間の投与の結果,高脂肪食投与群では高血糖,脂質異常,酸化LDL増加,酸化ストレスが認められました。
一方,レスベラトロール投与によって,脂質代謝および糖代謝の改善,抗酸化酵素活性の亢進といった効果が示されています。
(なお,標準食群ではこれらの作用は認められていません。)
以上のデータから,高脂肪食時におけるレスベラトロールの疾病予防効果が示唆されます。
健康長寿に関連して,レスベラトロールは,最も注目されている機能性成分/ファイトケミカルの一つです。
赤ワインやブドウから毎日摂取することを一般化するには無理があるので,サプリメント/健康食品の応用が考えられます。 |