今月の内分泌学の専門ジャーナル(電子版)に、レスベラトロールによる糖尿病予防効果を示した基礎研究が報告されていました。
(
Endocr J. 2011 Nov 8.)
レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。
レスベラトロールは、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子を活性化することが知られています。
近年のアンチエイジング研究では、レスベラトロールが長寿遺伝子を活性化することが話題になっています。
この数年、レスベラトロールに関する研究が盛んになり、様々な作用が示されています。
さて、今回の研究では、レスベラトロールによる膵臓β細胞保護作用/糖代謝への影響が検証されました。
具体的には雄ラット(Sprague Dawley)を用いて、
(1) レスベラトロール投与群、
(2) STZ投与群(実験的糖尿病モデル誘導)
(3) レスベラトロールを7日間投与後に、STZ投与群
(4) ニコチンアミドの前投与後に、STZ投与群
の4群について調べられています。
STZ投与72時間後に耐糖能テストが行われ、糖代謝指標が検証された結果、
レスベラトロール投与を行っていないSTZ投与群では糖尿病の病態が誘導されていたのに対して、
レスベラトロール前投与を行った後にSTZ投与した群では、糖尿病の発症は認められなかったということです。
膵臓組織の解析では、
レスベラトロール前投与群では、アポトーシスの抑制、caspase-3およびPARP活性化の低下が見出されました。
なお、PARP発現には変化は認められていません。
以上のデータから、
レスベラトロールは、STZ障害に対して、PARP活性の抑制を介して膵臓β細胞を保護し、糖尿病を予防することが示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
抗加齢医学研究の分野では、長寿遺伝子を活性化する方法の一つとして、
カロリー制限/摂取エネルギー制限が知られています。
(サルを用いて、必要な栄養素を満たしつつ、70%のカロリー制限を長期間行った研究データがよく知られています。
カロリー制限の他、長寿関連遺伝子を活性化する機能性食品成分として、赤ワインに含まれるポリフェノールの1種のレスベラトロールがあります。
ただし、赤ワインの摂取を介してレスベラトロールを摂取するのは(ワイン摂取量が超大量になるので)非現実的であること、また、ヒトがレスベラトロールをサプリメントとして摂取することでアンチエイジング関連効果が得られるのか、といった議論があります。
健康長寿には、カロリー制限(過剰摂取を避けること)と、適切な運動習慣が重要です。
日本でも、腹八分といわれるように、カロリーの過剰摂取は健康維持には好ましくありません。
過食は、活性酸素を過剰に発生させ、慢性炎症に起因する多くの生活習慣病の原因となります。
そこで、ライフスタイルに気を付ける、ということが再認識されるわけですが、一方で、比較的容易にアンチエイジング効果を得られる方法の一つとして、長寿遺伝子を活性化する機能性食品の研究が注目されるようになりました。
現在、
レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。
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