今月の腎臓病学の専門ジャーナル(電子版)に、血中ビタミンD値と腎結石症との関連を調べた研究が、米国のグループ(University of Colorado )から報告されていました。
(
Nephrol Dial Transplant. 2012 Jul 9.)
腎結石症の発症には、体質やライフスタイルなど多くの因子が関係します。
ビタミンD値との相関については、議論があります。
そこで、今回の研究では、米国での大規模な横断研究データを用いて、血中ビタミンD値と腎結石症との関連が検証されました。
具体的には、全国健康栄養調査(NHANES III)のデータに基づいて、
18歳以上の男女16,286 名が対象となり、
血中ビタミンD値と、自己申告による腎結石症エピソードが調べられています。
解析の結果、
16,286 名中、 759名が腎結石症の既往を有していました。
血中ビタミンD値(25(OH)D)は、結石症の既往者群と、非既往者群との間で有意差は認められませんでした。
(mean 29.28 versus 29.55 ng/mL, P = 0.57)
また、年齢や性別、人種、高血圧、糖尿病、BMI、利尿薬使用、血中カルシウム値で補正後、
ビタミンDが高値である群と、結石既往との間にも相関は示されていません。
[OR = 0.99; 95% confidence interval (CI) 0.99-1.01]
さらに、ビタミンD値の四分位の解析や、臨床的なカットオフ(e.g. 40 and 50 ng/mL)で検証した場合でも、腎結石症との相関は認められませんでした。
以上のデータから、
ビタミンD高値は、腎結石症のリスクとはならないことが示唆されます。
ビタミンDは、骨の健康維持や骨粗鬆症予防の必須栄養素として知られています。
近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000 IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)
今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。
たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足、
血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い
というデータがあります。
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