サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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オメガ3系脂肪酸による中性脂肪低下作用と遺伝子変異の相関 [2016年05月13日(金)]
今日の午後、「これからの健康産業のあるべき姿」(@東京大学の伊藤謝恩ホール)というシンポジウムに参加してきました。

厚労大臣や知事の経験者から、行政側の考え方が聞けました。


さて、本日の私的なお勉強日記です。

今月の栄養遺伝学の専門ジャーナルに、オメガ3系必須脂肪酸による中性脂肪値の低下作用と、遺伝子変異との相関を示した臨床研究が、カナダのグループから報告されていました。
(J Nutrigenet Nutrigenomics. 2016 May 5;9(1):1-11.)


オメガ3系必須脂肪酸(EPAやDHA)は、中性脂肪(トリグリセリド)を下げる作用があることから、脂質異常症・高脂血症に対して広く利用されています。


先行研究でのゲノムワイド関連解析(GWAS)において、

オメガ3系必須脂肪酸サプリメント投与による血中の中性脂肪の反応性と、

13の遺伝子座位(loci)との相関が示唆されました。


今回の研究では、

IQCJ, NXPH1, PHF17, MYB遺伝子のSNPsと、オメガ3系必須脂肪酸サプリメント投与による血中TG反応との相関が検証されました。


具体的には、

被験者208名を対象に、

1日あたり5グラムの魚油サプリメント(EPA;1.9-2.2 g、DHA;1.1 g)が6週間、投与され、

介入の前後で、血中脂質指標が測定されました。


67個のSNPsが、GWASで検出された座位近くのマーカーとして用いられています。


解析の結果、

血中TG値に対するオメガ3系必須脂肪酸サプリメントの作用に関して、

NXPH1遺伝子の2変異、IQCJでの10変異、NXPH1の4変異、MYBの3変異との相関が認められました。

また、改善と悪化のレスポンダーとして、

IQCJでの9変異、NXPH1の2変異、MYBの2変異との関連も見出されています。



以上のデータから、

オメガ3系必須脂肪酸サプリメントによる脂質代謝改善作用に関して、個人差と遺伝素因との関連が示唆されます。


オメガ3系必須脂肪酸に限らず、栄養素や機能性食品成分の働き方には個人差があります。

今後、どのような用法用量での組み合わせが好ましいのかというエビデンスが構築できれば、個別化医療にサプリメントをさらに適切に利用できるようになります。

また、どのような病気になりやすいかという体質・疾患感受性関連遺伝子変異はある程度、わかっています。
そのため、遺伝子変異を調べて、各自のリスクを知ることで、予防/リスク低減のために、ライフスタイルの見直しに加えて、機能性食品・サプリメントを利用することは可能となっています。

現時点でのエビデンスに基づいて、DHCでは、網羅的な遺伝子変異検査キットを製品化しています。


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