米国の学会で、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターから興味深い研究が発表されました。
乳がんの術後で放射線治療を行っている女性61名に対して、1週間に2回、ヨガを行ったところ、生活の質が改善したというのです(
Cohenら)。
これまでも、ヨガが体に良さそうだという研究はたくさんありましたが、今回の研究は、対照群との比較による比較的厳密な評価法に基づくということで新しさがあります。
数年ほど前、大学病院の健康診断受診者を対象に代替医療の利用状況を調査したことがあります。そのときのデータでは、ヨガの利用者は2.4%でした。2002年の米国での全国調査では、5.1%の人がヨガを利用しているとのこと(
Barnesら)。
このデータから判断すると、日本よりも米国のほうで、ヨガは浸透しているようです。
ところで、
MDアンダーソンといえば、がん研究&治療施設として有名なセンターです。その最先端の医療施設で、がん患者を対象に代替医療の科学的評価が行われているというのが注目されます。2年前に米国では、現代西洋医学においてがん治療で最先端を行く医療施設の研究者が集まり、統合腫瘍学の協会(
The Society for Integrative Oncology)が発足しています。私もメンバーとして、過去2回のカンファレンスに参加してきました。
日本でも、がんに対して統合医療の視点からの研究が進むことを願っています。