サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

2006年06月  >
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カフェインが議論の同意形成に役立つ? [2006年06月28日(水)]
カフェインは、さまざまな薬理作用をもつため、「食品」というよりは「医薬品成分」といってもいいでしょう。先日発表された臨床試験によると、カフェイン摂取が議論の同意形成に役立つかもしれません。

オーストラリアのUniversity of Queenslandの研究グループが、議論に対する意思形成の変化に関して、カフェインの影響を検討しました。臨床試験では、カフェインを含むオレンジジュースを摂取した群(試験群)と、含まないオレンジジュースを摂った群(対照群)とで比較検討が行われました(各群15名)。試験群におけるカフェインの用量は、3.5mg/kg体重です。その結果、対照群に比べて、試験群のほうで、自分の意見とは反対の主張(議論)に賛同する傾向が認められたということです(Martinら)。

これは、社会心理学分野の研究ですので、研究データの意義についての評価は分かれると思います。ただ、この報告を拡大解釈すれば、「カフェインを摂ることで、議論の合意形成が得られやすくなる」ということになります。
つまり、相手に意見を変えてもらうことで合意形成が必要な場合、先方にはカフェイン入りのコーヒーを飲んでもらいます。一方、自分の意見を変えたくなければ、カフェイン抜きのコーヒーを飲む、ということになるのでしょうか?

カフェインの中枢神経系への影響に関する研究としては面白いですが、ヒト脳のもつ高次機能を相手にするには、それほど簡単なことにはならないとも思われます。
とりあえず、この研究からは、「議論の合意形成過程において、カフェインが何らかの影響を及ぼしうるかもしれない」という結論が導き出せる、という印象です。
posted at 21:19 | この記事のURL
コメント(0) | トラックバック(0)
プロフィール


医学博士 蒲原聖可
自己紹介
ブログ
リンク集

http://www.dhcblog.com/kamohara/index1_0.rdf
ログイン
Mypagetopに戻る