先月下旬(5月23日)、イギリスのチャールズ皇太子が、「WHO(世界保健機関)の加盟メンバーは、伝統医療の利用を推進するべきである」という趣旨のスピーチを行いました。
欧米のメディアには比較的多く報道されていましたが、日本語のニュースでは見かけなかったように思います。
これまでも、チャールズ皇太子は、代替医療や伝統医療の推進を希望するといった趣旨の発言を行ってきました。ただし、必ずしも適切とはいえない代替医療を、例として取り上げることもあったため、代替医療の研究者や統合医療の推進者の間では、チャールズ皇太子の発言に対して当惑する場合もあり、あまり支持を得られているとはいいがたい状況です。
なお、今回(5月23日)のスピーチでは、セントジョーンズワートといったハーブの利用や、鍼治療などへの言及があったようです。
セントジョーンズワートは、軽症から中等症のうつ病に効果的というデータが示されています。また、鍼治療は、ペインクリニックやがん治療施設で利用されています。
ですから、今回のスピーチでの引用例は、問題はなさそうです
一方、チャールズ皇太子のスピーチと同じ日に、イギリスを代表する医師のグループが、相補.代替医療の利用に反対する声明を発表しました。これについては、次回述べたいと思います。
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