閉経後の女性における骨密度と血中ホモシステイン値との関連を検証した臨床研究が,イタリアのグループ(University of Milan)から報告されていました。
(
Eur J Intern Med. 2010 Aug;21(4):301-305.)
高ホモシステイン値,低葉酸値,低ビタミンB12値が,高齢者における骨粗鬆症のリスクになるかどうか,議論があります。
今回の研究では,骨密度と,血中ホモシステイン値,葉酸値,ビタミンB12との関連が検証されました。
具体的には,閉経後のイタリア人女性446名(平均年齢65.1±9.4歳)を対象に,骨密度(大腿骨,腰椎),血中ホモシステイン値などが2年間にわたって測定されています。
その結果,正常な骨密度の女性では,血中ホモシステイン値が9.96±1.29μmol/Lであったのに対して,骨密度の低い女性では11.06±1.32,骨粗鬆症の女性では11.88±1.35と有意に高い値でした(p<0.0001)。
年齢,BMI,葉酸値,ビタミンB12,クレアチニンクリアランス,喫煙や飲酒といった交絡因子で補正した重回帰分析でも,血中ホモシステイン値は,大腿骨の骨密度と負の相関を示したということです。
一方,骨密度と,葉酸値およびビタミンB12の間に有意な相関は示されませんでした。
(一般に,葉酸値とホモシステイン値は,負の相関を示します。)
論文著者らは,血中ホモシステイン値による骨密度の差への貢献度は約2%と大きくはないものの,臨床的には有意であり,骨粗鬆症のリスク群である閉経後の女性に対しては,ホモシステイン値の低下を目的としたビタミンサプリメントの利用が考慮されるべきと考察しています。
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