科学誌プロスワンに、レスベラトロールによる心不全リスク抑制効果を示した基礎研究が、フランスのグループ(Univ Paris-Sud Châtenay-Malabry)から報告されていました。
(
PLoS One. 2011;6(10):e26391.)
レスベラトロールは、赤ワインなどにも含まれるポリフェノールの1種です。
抗酸化作用や抗炎症作用を有しています。
レスベラトロールは、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子を活性化することが知られています。
近年のアンチエイジング研究では、レスベラトロールが長寿遺伝子を活性化することが話題になっています。
この数年、レスベラトロールに関する研究が盛んになり、様々な作用が示されています。
さて、今回の研究では、心不全に対するレスベラトロールの効果が検証されています。
心不全は、心臓の収縮機能の障害、エネルギー代謝異常による心臓の機能不全の病態です。
レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有しており、心不全における心臓や骨格筋でのエネルギー代謝に対する作用が想定されます。
具体的には、高血圧性心不全モデルとして、食塩感受性ラットを用いて、心不全を導入し、その後、レスベラトロールが18 mg/kg/日の用量で8週間投与されました。
(高食塩食3週間投与によって、心不全が導入され、高血圧と心肥大の病態が確立した後、8週間のレスベラトロール投与。)
レスベラトロール投与の結果、
対照群に比べて、生存率が有意に改善しました。
(レスベラトロール群では64%、対照群では15%;p<0.001)
また、体重減少の抑制、心不全(駆出率の低下)の抑制といった効果も見出されています。
さらに、大動脈血管内皮機能障害も、レスベラトロール投与によって抑制されたということです。
レスベラトロール投与は、ミトコンドリア機能の維持、脂肪酸酸化、PPARα発現の維持を介して、これらの機能を発揮すると考えられます。
以上のデータから、レスベラトロールは、心不全において、生存率の改善、血管内皮機能の改善、心臓の収縮能の維持といった効果を示すことが期待されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
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