今月の栄養学の専門ジャーナルに、レスベラトロールによる腎臓保護作用を示した基礎研究が報告されていました。
(
Nutr Res Pract. 2014 Apr;8(2):220-6)
レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。
レスベラトロールは、長寿関連遺伝子の1つであるサーチュイン遺伝子の活性化を介して、アンチエイジング効果があるのでは、と期待されています。
長寿になるかどうかを確認するためのヒト臨床試験は容易ではありませんが、
最近の臨床研究では、レスベラトロールによる内分泌代謝疾患や生活習慣病の改善効果が示唆されています。
さて、
今回の研究では、
環境に存在する発がん物質による毒性に対して、レスベラトロールの作用が検証されました。
具体的には、
Wistar雄ラットにヒ素(3 mg/kg As2O3, iv)を4日間、隔日で投与し、
レスベラトロール(8 mg/kg, iv)がヒ素投与の1時間前に投与されています。
血中および腎組織中の抗酸化ストレスなどが測定されました。
解析の結果、
ヒ素投与によって、
酸化ストレス障害の亢進、
腎臓でのヒ素蓄積の増加が認められました。
これに対して、レスベラトロールを前投与した群では、
ヒ素投与によるこれらの変化が抑制されたということです。
さらに、
レスベラトロール前投与群では、
血中尿素窒素やクレアチニンの低下(上昇の抑制)も示されています。
その他、
レスベラトロール投与によって、
腎組織中のセレン濃度が維持されています。
以上のデータから、
環境由来発がん物質に対するレスベラトロールによる腎臓保護作用が示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
DHCでは、
レスベラトロールを製品化しています。
現在、
レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。
例えば、基礎研究では、
レスベラトロールによるインスリン抵抗性改善作用
レスベラトロールによる糖尿病予防
レスベラトロールによる糖代謝改善作用
レスベラトロールの心不全リスク低減作用
レスベラトロールによる肥満予防のメカニズム
レスベラトロールによる抗がん作用
レスベラトロールによる大腸がん抑制作用
レスベラトロールの抗炎症作用
動脈硬化抑制作用
という報告があり、
ヒト臨床研究では、
レスベラトロールによる肥満者での代謝改善
レスベラトロールによる糖尿病改善作用
レスベラトロールによる脳循環改善
子宮内膜症関連痛に対するレスベラトロールの効果
レスベラトロールの高血圧改善作用@メタ解析
という報告が知られています。
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