サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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レスベラトロールはヒトでも効果がみられる [2011年11月09日(水)]
今月の細胞代謝学の専門ジャーナルに、レスベラトロールによる肥満者での代謝改善作用を示した臨床研究が、オランダのグループ(Maastricht University Medical Center)から報告されていました。
(Cell Metab. 2011 Nov 2;14(5):612-22.)


レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。


レスベラトロールは、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子を活性化することが知られています。

近年のアンチエイジング研究では、レスベラトロールが長寿遺伝子を活性化することが話題になっています。


この数年、レスベラトロールに関する研究が盛んになり、様々な作用が示されています。




さて、今回の研究では、

合併症を有していない(健康な)肥満者11名(男性)を対象に、

ランダム化二重盲検クロスオーバー法によって、

1日あたり150rのレスベラトロール(resVida)あるいは偽薬が、

30日間投与されました。



(投与されたレスベラトロールは、トランスレスベラトロールです。)



その結果、レスベラトロール投与によって、
睡眠時と安静時の代謝率は有意に低下しました。

(これは、カロリー制限時と同様の生体の反応です。)


また、筋肉組織では、レスベラトロール投与によってAMPKが活性化し、長寿遺伝子の一つであるサーチュイン遺伝子(SIRT1)が増加、PGC-1αタンパク質の増加が認められています。

(SIRT1は、転写因子コアクチベーターであるPGC-1αを介して、絶食のシグナルに応答し、肝臓での糖新生/解糖系経路を制御していることが知られています。
つまり、SIRT1は、グルコース恒常性において、PGC-1αの調節因子として機能することで、エネルギー恒常性や糖代謝および寿命の基礎的な経路と関わることが考えられます。)



さらに、レスベラトロール摂取群は、筋肉でのミトコンドリア量を変化することなく、クエン酸合成酵素活性を亢進し、脂肪酸由来基質での筋肉ミトコンドリア呼吸を改善しました。



その他、レスベラトロールによって、筋肉細胞内の脂質値が上昇し、肝細胞内の脂質量は低下、血糖値や中性脂肪、ALT、炎症マーカーも低下が認められています。


レスベラトロール投与後に、収縮期血圧の低下、インスリン抵抗性(HOMA)の改善も見出されました。




以上のデータから、
肥満者に対して30日間のレスベラトロールの投与は、カロリー制限と類似した代謝反応を示すことが考えられます。





抗加齢医学研究の分野では、長寿遺伝子を活性化する方法の一つとして、
カロリー制限/摂取エネルギー制限が知られています。

(サルを用いて、必要な栄養素を満たしつつ、70%のカロリー制限を長期間行った研究データがよく知られています。


カロリー制限の他、長寿関連遺伝子を活性化する機能性食品成分として、赤ワインに含まれるポリフェノールの1種のレスベラトロールがあります。


ただし、赤ワインの摂取を介してレスベラトロールを摂取するのは(ワイン摂取量が超大量になるので)非現実的であること、また、ヒトがレスベラトロールをサプリメントとして摂取することでアンチエイジング関連効果が得られるのか、といった議論があります。



今回の研究では、一日あたり150rのレスベラトロールの摂取によって、カロリー制限および運動習慣と同様の効果が得られることが示されています。



健康長寿には、カロリー制限(過剰摂取を避けること)と適切な運動習慣が重要です。
日本でも、腹八分といわれるように、カロリーの過剰摂取は健康維持には好ましくありません。
過食は、活性酸素を過剰に発生させ、慢性炎症に起因する多くの生活習慣病の原因となります。


そこで、ライフスタイルに気を付ける、ということが再認識されるわけですが、一方で、比較的容易にアンチエイジング効果を得られる方法の一つとして、長寿遺伝子を活性化する機能性食品の研究が注目されるようになりました。



今回のデータからは、
レスベラトロールの摂取(150r/日×30日間)によって
--カロリー制限や運動時と類似した効果が期待されること、
--体重には変化が認められないこと
が示されています。



レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。


今回の研究では、レスベラトロール投与によって、400個以上の遺伝子の発現が変化しており、多彩な作用メカニズムが推察されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。


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