臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、レスベラトロールによる血圧への働きを検証したメタ解析が報告されていました。
(
Clin Nutr. 2014 Mar 31)
レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。
レスベラトロールは、長寿関連遺伝子の1つであるサーチュイン遺伝子の活性化を介して、アンチエイジング効果があるのでは、と期待されています。
長寿になるかどうかを確認するためのヒト臨床試験は容易ではありませんが、
最近の臨床研究では、レスベラトロールによる内分泌代謝疾患や生活習慣病の改善効果が示唆されています。
さて、
今回の研究では、レスベラトロールによる血圧への作用が検証されました。
具体的には、
主要医学データベース(PubMed, EMBASE, MEDLINE, Cochrane Library)を用いて、
2014年1月までのヒト臨床研究(ランダム化比較試験)が抽出され、
6報247名のデータが対象となりました。
メタ解析の結果、
まず、全被験者では、
レスベラトロール投与による血圧への有意な変化は認められませんでした。
次に、サブグループ解析では、
レスベラトロールの高用量(1日あたり150 mg以上)投与群において、
収縮期血圧の有意な低下作用が認められました。
(−11.90 mmHg、95% CI: -20.99, -2.81 mmHg, P = 0.01)
一方、レスベラトロールの低用量投与群では、有意な変化は示されませんでした。
以上のデータから、
レスベラトロールは、高用量(1日あたり150 mg以上)時に収縮期血圧低下作用を示すことが考えられます。
今後、用量用法の検討に加えて、被験者のサブグループ解析による検証などのデータが集積されれば、
高血圧症における個別化医療での介入方法のひとつとして、
レスベラトロールサプリメントの適正使用が行われるようになると期待されます。
DHCでは、
レスベラトロールを製品化しています。
現在、
レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。
例えば、基礎研究では、
レスベラトロールによるインスリン抵抗性改善作用
レスベラトロールによる糖尿病予防
レスベラトロールによる糖代謝改善作用
レスベラトロールの心不全リスク低減作用
レスベラトロールによる肥満予防のメカニズム
レスベラトロールによる抗がん作用
レスベラトロールによる大腸がん抑制作用
レスベラトロールの抗炎症作用
動脈硬化抑制作用
という報告があり、
ヒト臨床研究では、
レスベラトロールによる肥満者での代謝改善
レスベラトロールによる糖尿病改善作用
レスベラトロールによる脳循環改善
子宮内膜症関連痛に対するレスベラトロールの効果
という報告が知られています。
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