サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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前立腺肥大症に対してノコギリヤシは医薬品と同等の効果を示す [2016年02月02日(火)]
泌尿器科学の専門ジャーナル(電子版)に、前立腺肥大症の症状に対して、ノコギリヤシと医薬品との作用を比べた臨床研究が、スペインのグループ(Hosp. Clínic Univ., IDIBAPS)から報告されていました。
(Int Urol Nephrol. 2016 Jan 25.)




男性では、加齢に伴って前立腺肥大症(BPH)による排尿障害などの症状が生じます。



良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。



さて,

今回の研究では,

前立腺肥大症に伴う下部尿路症状に対して、

臨床現場で用いられる標準的な薬物(医薬品)と、ノコギリヤシとの作用が比較されています。


具体的には、

泌尿器科外来での多施設共同オープンラベル試験として、

IPSSスコア(国際前立腺症状スコア)が8以上の患者(40歳以上)を対象に、

6か月間の投与が行われ、



指標として、

Benign Prostatic Hyperplasia Impact Index (BII)

IPSSが測定されました。



1,713名の被験者が解析の対象となりました。


試験開始時の平均スコアは、

IPSS:16.8 (5.4)、

BII:6.8 (2.6)でした。


介入の内訳は、

非介入群:8.9 % (n = 153) (watchful waiting, WW),

単独投与群:70.3 % (n = 1204):

単独投与の内訳:

・α1アドレナリン阻害剤投与群[AB]、

・植物療法群 [PT, ノコギリヤシのヘキサン抽出物, HESr]

・5α還元酵素阻害剤[5ARI]


併用投与群:20.8 % (n = 356)は、上記の組み合わせ(AB + 5ARI; AB + HESr; others)


6ヶ月間の介入後、

QOLは、医薬品及びノコギリヤシの単独での介入群ではいずれも同程度に改善していました。

(AB: mean improvement [SD] of 2.4 points [2.4]; PT: 1.9 [2.4]; 5ARI: 2.5 [2.3])



また、併用での介入群での改善は、

AB + 5ARI: 3.1 [2.9]、

AB + PT: 3.1 [2.5]

でした。



単独投与群では、

医薬品でもノコギリヤシでも、いずれの群の間に臨床的に有意差はなく、

全ての介入群において、非投与群よりも有意な改善が認められました。
(p < 0.05)



つまり、

単独投与の場合、

ノコギリヤシは、

α1アドレナリン阻害剤や5α還元酵素阻害薬といった医薬品と同等の有効性(IPSSでの効果)が見出されています。


また、

α1アドレナリン阻害剤との併用による有用性も示されました。



以上のデータから、

臨床の治療現場において、

中等度から重症の前立腺肥大症の症状に対して広く利用されている医薬品やノコギリヤシは、いずれも同程度の有用性が示唆されること、

また、
ノコギリヤシは、医薬品(ABや5ARI)といった医薬品よりも副作用が少ないこと

が示唆されます。




ノコギリヤシに関しての臨床試験や基礎研究では、次のような報告があります。



ノコギリヤシ+ハルナール併用はハルナール単独よりも有効
2/18/15 blog予定→


男性型脱毛症(AGA)に対するノコギリヤシの効果


ノコギリヤシの安全性を示した臨床試験


・ノコギリヤシによる前立腺肥大症と勃起障害の症状改善作用


・前立腺の健康維持にはノコギリヤシ+リコピン+セレン


・ノコギリヤシによる細胞増殖抑制作用


・ノコギリヤシによるBPH症状改善作用



・ノコギリヤシの前立腺肥大症改善作用



・前立腺切除術前のノコギリヤシ投与の効果


・ノコギリヤシ複合サプリによる慢性前立腺炎改善効果


・ノコギリヤシ・カボチャ種子による前立腺肥大症


・前立腺切除術の出血にノコギリヤシは影響しない



・ノコギリヤシでは医薬品との相互作用報告はなし



・男性型脱毛症とノコギリヤシ


・ノコギリヤシの安全性に関する系統的レビュー


・前立腺炎に対する補完療法としてのノコギリヤシ






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