今月の小児科学の専門ジャーナル(電子版)に,乳酸菌による小児アレルギー疾患の改善作用を示した臨床研究が,台湾のグループ(National Cheng Kung University)から報告されていました。
(
Pediatr Pulmonol. 2010 Jul 23)
これまでの研究によって,プロバイオティクスの投与が,小児におけるアトピー性皮膚炎の予防や治療に有用であることが知られています。
一方,喘息などのアレルギー性呼吸疾患については,一定の結果が得られていません。
そこで,今回の研究では,小児を対象に,乳酸菌投与による喘息およびアレルギー性鼻炎の臨床症状への作用が検証されました。
具体的には,喘息あるいはアレルギー性鼻炎を有する6歳から12歳までの小児を対象に,乳酸菌(
Lactobacillus gasseri A5)投与群(n = 49)あるいは偽薬投与群(n = 56)の2群に分けて,8週間のランダム化二重盲検偽薬対照試験として行われています。
呼吸器関連指標が解析された結果,
偽薬投与群に比べて,乳酸菌投与群において,
日中および夜間のピークフロー率(最大呼息流量率)が有意に増加(改善),喘息およびアレルギー性鼻炎の臨床症状スコアの有意な改善が認められたということです。
また,乳酸菌投与群では,末梢血単核球におけるTNF-α,IFN-γ,IL-12,IL-13産生の有意な減少も認められています。
以上のデータから,小児の喘息やアレルギー性鼻炎に対して,乳酸菌/プロバイオティクス投与の有用性が示唆されます。
プロバイオティクス製品にはさまざまな種類があります。
一般に,製品の効果については個人差がありますので,まず2〜3ヵ月程度摂取し,気になる症状に改善がみられるかどうか,試してみることになると思います。
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