サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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紅麹はレベルAの推奨:国際脂質エクスパートパネル声明文 [2017年09月11日(月)]
国際脂質エクスパートパネルから、脂質異常症に対して用いられる機能性食品成分に関する声明文が発表されていました。
(Arch Med Sci. 2017 Aug;13(5):965-1005)



今回のステートメントでは、

脂質異常症改善作用を有する機能性食品成分の有用性に関して、

エビデンスレベルと推奨度が示されています。


具体的には、

推奨のクラス分類は、

クラスT:治療として推奨される
有効性を示すエビデンスがある。

クラスU
有効性を示したエビデンスとそうでないものとが混在する。

クラスUa:治療として考慮されるべき
エビデンスのウエイトは、有用性を支持する

クラスUb:治療として考慮してもよい
有用性に関するエビデンスレベルは十分には確立されていない

クラスV:推奨されない
有用性に関するエビデンスは、確立していない、あるいは有害である


エビデンスレベルは、

レベルA:複数のランダム化比較試験あるいはメタ解析

レベルB:単一のランダム化比較試験、あるいは大規模な非ランダム化試験

レベルC:専門家の意見、小規模な試験、後ろ向き研究



次の機能性成分が、示されています。

(1)小腸での消化吸収抑制によるLDLコレステロール低下

・植物ステロール/植物スタノール
クラスUa、
レベルA
用量は、400-3000mg、
LDL低下効果は、-8%〜-12%
その他に:hs-CRP低下作用

・グルコマンナン
クラスUa、
レベルA、
用量は5-15g、
LDL低下効果は、-5%〜-15%
その他に、TG、HOMA、血糖値、体重の低下作用

・キトサン
クラスUb、
レベルA、
用量は1-6g、
LDL低下効果は、-5%
その他に、体重、血糖値、HOMAの低下作用

・プロバイオティクス
クラスUb、
レベルB、
用量は菌種により異なる、
LDL低下効果は、-5%(菌種により異なる)


(2)肝臓でのコレステロール合成抑制作用

・紅麹
クラスT
レベルA
用量は、3-10mg(モナコリンKとして)
LDL低下効果は、-15%〜-25%
その他に、ApoB, hsCRP, MMP-2, MMP-9の低下作用

・ニンニク
クラスUa
レベルA
用量は、5-6g
LDL低下効果は、-5〜-10%
その他に、血圧低下、血小板凝集抑制作用

・ベルガモット
クラスUa
レベルB
用量は、500-1,000mg(BPF)
LDL低下効果は、-15%から-40%
その他に、sdLDL, hs-CRP, TNF-αの低下、

・ポリコサノール
クラスV
レベルA、
用量は、10-80mg
LDL低下作用は、有意差なし


(3)LDLコレステロール排泄促進作用
・ベルベリン
クラスT
レベルA
用量は、500-1,500mg
LDL低下効果は、-15%から-20%
その他に、 ApoB,TG, hs-CRP, IL-6, MCP-1, ICAM-1, VCAM-1, MMP-9、HOMA index, 血糖値、血圧の低下作用

・緑茶抽出物
クラスUa
レベルA
用量は、25-100g
LDL低下効果は、-5%
その他に血圧降下作用

・大豆たんぱく質
クラスUb
レベルA
用量は、25-100g
LDL低下効果は、-3%〜-10%


(4)複数の作用機序を有するその他の機能性食品成分
・オメガ3系脂肪酸
クラスT
レベルA
用量は、1-4g

・γオリザノール
クラスUb
レベルB
用量は、300mg、
LDLコレステロール低下作用は-5%から-10%

・スピルリナ
クラスUa
レベルB
用量は、400-800 UI
LDLコレステロール低下作用は-5%

・クルクミン
クラスUa
レベルB
用量は、1-3g
LDLコレステロール低下作用は-5%
その他の作用:
低下: TG, Lp(a), glucose, HbA1c, HOMA index, hs-CRP, TNF-alpha, IL-6,
増加: adiponectin, HDL-C

・L-カルニチン
クラスUb
レベルB
用量は、1-2g





脂質異常症・高脂血症は、生活習慣病であり、心臓病や脳卒中のリスクとなります。




脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、紅麹です。


DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。

(DHC紅麹濃縮エキス末180mgには、モナコリンKが2.7mg含まれています。)



紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。

紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析








医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。

最近では、下記の研究が報告されています。



コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果




スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。

(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、コエンザイムQ10との併用が有用です。)




コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。




還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。








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