米国医師会ジャーナルに掲載された研究で、地中海食の遵守によって死亡率が半減する、という臨床研究があります。
すこし以前の論文ですが、紹介させていただきます。
(
JAMA. 2004 Sep 22;292(12):1433-9.)
食習慣やライフスタイルは、がんや心臓病(虚血性心疾患)などさまざまな疾患の原因や死亡率と有意に関連しています。
健康にいい食事というと「和食」を連想しがちですが、医学的なエビデンスが最も多く報告されているのは、「地中海食」です。
地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。
野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。
さて、JAMAに報告された研究では、
欧州の高齢者において、
地中海食の単独、あるいはその他のライフスタイル(身体活動、適度な飲酒、禁煙)との組み合わせによる疾患罹患率や死亡率への影響が調べられています。
具体的には、
1988年と2000年の間のコホート研究として、
欧州11か国に在住の
70歳から90歳の健康な高齢者(男性1507名、女性832名)を対象に、
10年間の全死亡率、心臓病(冠状動脈疾患)、心血管疾患、がんによる死亡率とライフスタイルとの相関が解析されました。
(The Healthy Ageing: a Longitudinal study in Europe (HALE)という研究の一環です。)
10年間の追跡期間中、
935名の死亡、
うち、心血管疾患による死亡371名、
がんによる死亡233名、
その他の死因145名、
死因不明186名
が見出されました。
各ライフスタイルの遵守と死亡率との相関を調べた結果、
まず、全死亡率に関して、
地中海食利用群では23%の有意なリスク低下、
(HR, 0.77; 95% CI, 0.68-0.88)
適度な飲酒群では22%の有意なリスク低下、
(HR, 0.78; 95% CI, 0.67-0.91)
身体活動(運動習慣あり)の群では37%の有意なリスク低下、
(HR, 0.63; 95% CI, 0.55-0.72)
禁煙群では35%の有意なリスク低下、
(HR, 0.65; 95% CI, 0.57-0.75)
が認められました。
(年齢、性別、教育、BMIといった因子で補正。)
類似した結果が、
心臓病、心血管疾患、がんの死亡率でも見出されています。
4つの健康にいいライフスタイルを合わせた群では、
全死亡率は65%低下しました。
(HR; 0.35, 95% CI, 0.28-0.44)
一方、
4つのライフスタイルのいずれも有していない群では、その生活習慣が、
全死亡率の60%、心臓病の64%、心血管疾患の61%、がんの60%に関与している、ということです。
以上のデータから、
健康な高齢者では、
地中海食の摂取、
適度な飲酒、
運動習慣(身体活動)、
禁煙
を順守することで、
主要な疾患の死亡率が半減することが示唆されます。
地中海食やオリーブオイルの効能については、多くのエビデンスが報告されています。
低炭水化物(糖質制限)食と地中海食は低脂肪食よりも有効
オリーブオイルの摂取10gで全死亡率が7%低下
地中海食がメタボを抑制
バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用
バージンオリーブオイルの心臓病予防作用
オリーブオイルによる皮膚の老化抑制作用
地中海食による認知症予防効果
地中海食+CoQ10サプリによる抗酸化作用
超低炭水化物・地中海食による減量効果
地中海食による高尿酸血症リスクの低下
オリーブオイルによる動脈硬化抑制作用
バージンオリーブオイルによる骨代謝改善作用
オリーブオイルとナッツによる心血管リスク低下作用
伝統的地中海食による脂質代謝改善作用
オリーブオイルによる膀胱がんリスク低下
オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、
エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。
オリーブオイルを多用する地中海食は、心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し、抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。
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